インタビュー記事③
-精子の研究をされる際、検体集めが大変なイメージがありますが実際はどうなのでしょうか?-
萩原さん)大変ですね。。
そもそも提出する事に心理面での
ハードルもありますし、
それ以上にどういう人が不妊なの
かっていう所見も少ない、
どういう属性の人を集めるの
かっていう所が難しいです。
適当に集めるにはいくつでも
集まりますが、研究する上では
必要になってくる。
例えば不妊の方を集めようとしても、
夫婦2人の問題なので、
女性側の因子もはいってきてしまう。
だから、男性不妊ではなく
女性不妊だったから子どもが出来ない
可能性がある。そこが難しい所
ですね。
させていただいています。男性不妊の背景には
生活習慣病がリスクファクターと
言われている中、生活習慣病に対する、
運動療法の効果の研究などはあっても、
精子や精漿に対する効果がないのが現状だと
感じています。
このような研究をされる機会があれば一緒に
関わらせていただく事は可能でしょうか?-
萩原さん)ぜひお願いします。
実はスポーツ系は結構、
テストステロンやクレアチニンは
凄いみんな興味をもっています。
実は、運動に関しては一過的に
テストステロンが上昇するという
報告はあるんですが、継続的に運動
したら継続的にテストステロンが
上がるという報告はないんですよね。
ベースラインが上がるってないんで。
それだけでも研究するだけで、
新しい治験になってくる。
それだけ進んでないんですね。
なので、なんか運動したらもしかしたら
精液中の成分が変動しうるのでは
ないのかと思っていて、
スポーツ学の先生も血中や尿中しか
みようとしないですし、
じゃあ男性不妊の人は?って
いったら運動までいく手前ぐらいの人達を
とらないといけないですね。
-最近海外の論文を読ませていただいていますが、日本に比べ海外の方が進んでいる印象ですが、実際はどうなのでしょうか?-
萩原さん)決して、日本は劣っていないと
感じてはいないです。
実際、不妊治療数はトップ
なんですね、ただ研究者人口が
少ない。
連携がとれていない。
ここがお互いにやっていなくちゃ
いけないのに出来ていない。
泌尿器科もそれ以上踏み込めず、
産婦人科に投げちゃうケースもある。
婦人科は女性を診る所なので男性の
事は良くわからないよねって、
なってしまうのが残念。
でも半分は男性が原因なのでここを処理
しないと深堀できないっていう所が
日本がちょっと遅れている原因だと
思います。
あとはクローズな部分があって、
海外は総合医療みたいな形で、
他の医療とも連携がとれているが、
日本は泌尿器、産婦人科で完結して
しまい、
連携が弱いのが日本の問題なのかなと
思います。
次回へ続く(^^♪
メンズヘルスケア
理学療法士 小林裕輔